BMW 新1シリーズや新2シリーズ グランクーペで国内展開が待たれるディーゼルエンジンについて書いてみました。
従来のB47D20ディーゼルエンジン
2019年までのBMW 1シリーズを始めとして各シリーズに搭載されていた4気筒ディーゼルエンジンである B47D20 は排出ガス浄化システムに特別な装置を搭載せずに環境基準を達成している非常に優れたエンジンです。
排気側は排気ガス再循環装置(EGR)とディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)+マフラーだけ存在しており、これだけで環境基準を達成しているんです。
ただし、排気ガスに含まれるPM(スス=粒子状物質)と、これまた排気ガスに発生するNOx(窒素酸化物)を特別な装置なしで環境対応させるには、DPFへの負担増大やPMとNOxをバランスよく低減させるため、パワーや燃費で妥協する設計があったと思われます。
マツダのSKYACTIVA-D ディーゼルエンジンは低圧縮によるスス低減を謳っていますが、実際はススの問題でディーラーによる点検、リコールやエンジン改良など市販後の対応がかなり苦労しています。
BMWエンジンではディーゼルエンジンではEGRクーラーのリコールがあった位で、それ以外の問題は起きておらずBMWディーゼルエンジンの優秀さがうかがえます。
ディーゼルは乗り方を選ぶ
ただし、優秀なBMWエンジンでもディーゼルエンジンは乗り方を選ぶエンジンで、B47D20が搭載されている118dを乗っていて感じたのはチョイ乗りが続く場合(特にエンジンが温まりにくい冬季)は、エンジンのふけあがりが悪くなり、エンジン振動が増えるのが体感できるほどでした。
なので、「チョイ乗りばかり続けない」「BMW純正 ディーゼル燃料添加剤を適宜使用する」
などエンジンの状態に気を付けて乗らなければなりませんでした。
「BMW純正 ディーゼル燃料添加剤」にはだいぶ助けられました。
新B47D20(縦置き)エンジン、新B47C20(横置き)エンジン
2019年からフルモデルチェンジしている新3シリーズのディーゼルエンジンは新しいB47D20が採用されています。
B47D20は従来からあるエンジンですが、新しいB47D20は排出ガス浄化システムにAdblue(尿素SCR)が採用されています。
正確にはAdblue自体は尿素水そのものを示すので装置を示しませんが、尿素SCRと言うよりはAdblue自体での名の通りが良いので使っています。
B47D20はFR用の縦置きエンジンですが、新1シリーズはFFになるので、同様のしくみが採用された横置きエンジンである新B47C20が採用されるかもしれません。
新1シリーズ(F40)や新2シリーズ(F44) のディーゼル(欧州)
日本では未発表ですが2019年からの新1シリーズ(F40)や2019年発表の新2シリーズ(F44) グランクーペ(Gran Coupe)は欧州ではすでにディーゼルエンジンをラインナップし、この新しいB47C20エンジンになっています。
1シリーズ(F40)は
- 116d(直列3気筒1.5L ディーゼル B37C15U0) 85kW/270Nm
- 118d(直列4気筒2.0L ディーゼル B47C20) 110kW/350Nm
- 120d(直列4気筒2.0L ディーゼル B47C20) 140kW/400Nm
2シリーズグランクーペ(F44)は
- 220d(直列4気筒2.0L ディーゼル B47C20) 140kW/400Nm
このようにB47C20エンジンに一新されています。
旧B47D20から新B47D20,B47C20へ
特別な排ガス装置が無かった旧B47D20から新B47D20,B47C20のAdblue方式になることは欧州新排ガス基準である「ユーロ6フェーズ2」や他の要因はあると思いますが
Adblue方式を採用することで、今までDPFが担っていたNOx低減を尿素SCRに任せることが出来、エンジン燃焼でPMを減らせばNOxが増える、NOxを減らせばPMが増えるというPM発生とNOx発生がトレードオフの関係にあるディーゼルエンジンの特性をPMを下げてNOxは上げる方向に振ることが可能になります。
それによってPMが減りDPFの負担が少なくなると思われます。
これによって、ディーゼルエンジンの乗り方がもう少し汎用的になり
チョイ乗りも、もう少しできるようになると思われます。
国内の新1シリーズ、新2シリーズのディーゼル展開は?
以前、BMWジーニアスに聞いた話や、先日、高速試乗会の時にセールスマンに聞いた話ではごく早いうちに新1シリーズは国内にディーゼルエンジンが供給されるのは間違いないようです。
また新2シリーズ グランクーペは国内のディーゼルはセールスさんは「まだわからない」とのことです。
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